正確にいうと、間にMOCO美術館がある。
- チケット
- 建物
- Painting by Georges Seurat, 1883 - 1884
- 自画像 1886年
- 自画像 パリ 1887年
- 花咲く梅の果樹園(広重の模写) パリ 1887年
- 種まく人 アルル 1888年
- ひまわり アルル 1889年
- 花咲くアーモンド サンレミ 1890年
- カラスの群れ飛ぶ麦畑 オーヴェール・シュル・オワーズ 1890年
- おまけ
チケット
チケットの購入はオンラインでのみ可能で、直接現地に行っても買えません。また、レンブラント特別展と同じく、どのタイムスロットで入るかも予約します。
自分がチケットを取った時は、アムステルダム国立美術館よりもファンゴッホ美術館の方が埋まっていました。なので「このためだけにアムステルダムに行く」くらいの心算の方が良いかもしれません。
価格は25ユーロなので、アムステルダム国立美術館よりちょっと高い。それだけ人気があるってことでしょうね。特別展は同じチケットで入れます。
建物
ちなみに別館は、黒川紀章設計。曲線が特徴的な建物で、特別展に使われます。本館と別館は地下で繋がっていて、繋がっているところは、お土産やさんです。
なお、このお土産屋さんは、めちゃくちゃ物欲をそそるので、お覚悟。
外に並び、バーコードがあるチケットをリーダーに通して、一旦地下一階へ降ります。
そこから0階、1階と階を上がるようにできています。
フロアプランはこちらからダウンロード可能なので、事前に見ておくと良いかもしれません。
https://www.vangoghmuseum.nl/en/plan-your-visit/floor-plan
0階は、自画像と年表、つまり全体像を簡単に見せるところと、希望があればオーディオガイドを借りられるところ。
本格的な展示は1階から。
同世代で交流があったシニャックやスーラと同じモチーフで描いた絵が並べられていたりすると、まだファンゴッホがファンゴッホになっていない時代の凡庸さがよくわかる。
Painting by Georges Seurat, 1883 - 1884
By {{Creator:}} - Van Gogh Museum, Public Domain, Link
ファンゴッホ自体、いろんな作家と交友があり、その関係図もありました。上記スーラの絵のように近しい人の作品も収蔵展示されているので、立体的に理解しやすいかと。
あと、必ずでてくる弟のテオの話とか。
私見では1887年から画風がファンゴッホになってくる。厚く力強い塗り方、実際の色にとらわれない色。
自画像 1886年
By Vincent van Gogh - Van Gogh Museum, Public Domain, Link
まだよくある油絵って感じですが。
自画像 パリ 1887年
By Vincent van Gogh - NAGCV0l1eJoL7A at Google Cultural Institute, zoom level maximum, Public Domain, Link
ファンゴッホっぽくなってきた!
花咲く梅の果樹園(広重の模写) パリ 1887年
これも飾ってあった。初めて見たが、浮世絵の平面的なものとは違い、塗り方もあって遠近感がすごかった。
By Vincent van Gogh - 2wF6nM1fOWEp8Q at Google Cultural Institute, zoom level maximum, Public Domain, Link
オリジナルの広重:名所江戸百景 亀戸梅屋敷 1857年
By Ando Hiroshige - PAFEe4QeeBnqpw at Google Cultural Institute, zoom level maximum, Public Domain, Link
これを見ると、模写というよりも別作品ですね。
種まく人 アルル 1888年
By Vincent van Gogh - Van Gogh Museum, Public Domain, Link
これはビュールレコレクションで見たやつだ。と思ったら、ほぼ同じアングルでタッチなど違いますね。
『種まく人』1850年。模写の元になったらミレーのもの
By ジャン=フランソワ・ミレー - LgE5YAcQ5OqmZA at Google Cultural Institute maximum zoom level, パブリック・ドメイン, Link
1888年の12月に有名な耳削ぎがあります。
当時の様子を日付順に克明に表したコーナーもありました。
ひまわり アルル 1889年
By Vincent van Gogh - hwEGmsM-FoHAwA at Google Cultural Institute, zoom level maximum, Public Domain, Link
これは説明不要なひまわり。黄色という色とタッチの猛々しさと静謐さが同時に来る感じ。動いていると思えば激しく動いているし、静かだと思えば静かに佇む。見るものの心によって見方が変わってしまう、なんともいえない作品。
花咲くアーモンド サンレミ 1890年
By Vincent van Gogh - dAFXSL9sZ1ulDw at Google Cultural Institute maximum zoom level, Public Domain, Link
個人的には、ファンゴッホらしくないけどらしいという変な思いで見ていた作品。
ひたすらに静謐で、短調の美しい小品という感じ(絵自体はけっこう大きい)
花びらの表現の大胆さと細やかさ。背景色の美しさが合間って、なんどもなんども見返してしまいました。
カラスの群れ飛ぶ麦畑 オーヴェール・シュル・オワーズ 1890年
By Vincent van Gogh - http://www.southern.net/wm/paint/auth/gogh/fields/gogh.threatening-skies.jpg Source description: http://www.southern.net/wm/paint/auth/gogh/fields/, Public Domain, Link
これも面白い作品で、遠くから見ると静かな麦畑風景。田園の豊かな自然という感じ。
近づくとタッチの荒々しさとカラスがなんとも不穏な感じ。なんとでも見える多面性。
ファンゴッホの絵は、なんとなく名前ですごーいと思っていても今ひとつ理解しづらいところがありました。しかし、年代別に並べて変化を見ていくと、その良さというか、辛さというか、悲しさというか、祈りというか、情熱というか、いろんな強い感情が混じり合ってそれが絵に出てきているんだという感じを持ちました。情に訴えかけるというか。
ファンゴッホだけまとめて見ると、そういうところがわかるというか、その不思議さを強く知ることができて、とてもよかったです。
おまけ
著名作品だとあと、Starry Nightを見たいところです。MoMAか。
The Starry Night 1889
By Vincent van Gogh - bgEuwDxel93-Pg at Google Cultural Institute, zoom level maximum, Public Domain, Link
MoMAの公式で、どうやってファンゴッホがこれを描いたのか解説しているので貼っておきます。
How artists capture environments | Modern Art & Ideas