京都に行って愛でた源氏物語系のお話よりもさらに前の日本書紀のお話。1300年前。
第 1 章 : 巨大本殿 出雲大社
日本書紀の生(と言っても当然写しではあるのだが)を見るのは、多分初めて。
#以下の写真は、展示されていた箇所とは違います。
Urabe Kanekata - [1], パブリック・ドメイン, リンクによる
まずは日本書紀を提示して、そこに書かれた「幽」を司る出雲と「顕」を司る大和比較、と言うコンセプト。
そこからの、宇豆柱と、本来ならばこうなっていたであろう柱の模型を下から見上げる形で、どん。これを元にした復元模型どん、と、いきなりサビから入る感じ。
出雲大社の、本殿前の宇豆柱跡の写真
兜に、天照皇大神、春日大社、八幡大菩薩と透かしが入っていたのは、面白かった。この三つ並列というのが。
第 2 章 : 出雲 古代祭祀の源流
写真が公式ページにちょっと載っています。
ガラスの勾玉の青が美しかった。
今回出雲からきた銅鐸などが収められているところ。ここも圧巻です。
ウミガメ、シカなどの彫り物がしてある銅鐸もかわいい。
康永年間(1340年頃)以降、千家氏と北島氏に別れた、出雲国造(いずものくにのみやつこ)のうち、北島氏のところ。
千家氏は、神社本庁包括の別表神社として、北島氏は宗教法人出雲教として、今も共に出雲大社を祀る。
『出雲と大和』では年表に一行触れられているだけでした。
第 3 章 : 大和 王権誕生の地
大和パートでは、七支刀が個人的ハイライト。石上神宮に伝来した古代の鉄剣で、木のわくに嵌められて、面も裏も鑑賞できるようになっていた。これはナイスアイデア。
長さは約75センチと、思ったより大きくなかった。掘られた文字が金色に光るのも素敵。
こっちはレプリカの写真。(今回展示されていたのは本物です)
The user's homepage - https://www.flickr.com/photos/hendry/189880424/, CC 表示 2.0, リンクによる
石上神社って、春日大社と大和国一宮の三輪神社の中間くらいにあるんですね。JR桜井線で行くと全部回れそう
第 4 章 : 仏と政(まつりごと)
重要文化財 持国天立像(飛鳥時代・7世紀 奈良・當麻寺(たいまでら)蔵。脱活乾漆造)がカッコ良かった。
大和は唐招提寺の広目天、多聞天、出雲は萬福寺の四天王と、四天王の共演もあったが、場所による差はすでにない感じでしたね。
大和の十一面観音様はどちらも奈良時代の安らぐ感じ。
「出雲と大和」だったので、こんなに仏像がでてくるとは思わなかった。
最後に二つ
古墳
どの章だったか忘れたのですが、古墳の話が面白かった。
古墳は出雲が先、その跡前方後円墳などの奈良の古墳に展示が移ります。
「四隅突出型墳丘墓」という正方形の角が長く突出した形の墳墓があるというのを知らなかったので、映像による説明を面白く鑑賞しました。
古墳の周辺に特殊なフィルムを置いて、古墳の中に空間(石室とか)があるかどうかを調べるってのも面白かったなあ。非破壊でいろんなことができるんですね。
出雲国造神賀詞
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/32737/rsg078-01-takiotoyoshiyuki.pdf
出雲国造神賀詞を音声で初めて聞いたのだが、なるほどわからん。割と神道の言葉は、神様にわかるように昔の言葉で書かれているという話でもあるのだけれど。
出雲国造神賀詞は延喜式にも記されていて、天皇に出雲国造が申し上げるお話。
ここで、国譲り神話の描写が、古事記と日本書紀にあるような、最初に派遣された神々が3年8年も復命せずに、ということではない話が、神賀詞に記されていることを比較したのが、上記PDF。
PDF中にも触れられているが、記紀とは違う描写を奏上するってのは、なぜそういうことになったのか、謎めいていて面白い。