cafe de nimben

見たものと、読んだもの

ウォン・シニョン監督『殺人者の記憶法』2017韓国

今年2020年『パラサイト』でオスカーをとった、ポン・ジュノ監督の2017年の作品と間違えてnetflixで見た作品。ポン監督のは『殺人の追憶』2003なので、それで間違ったか。

 

殺人者の記憶法(字幕版)

殺人者の記憶法(字幕版)

  • 発売日: 2018/08/02
  • メディア: Prime Video
 

 

主人公は、かつて連続殺人犯だった動物病院の医師。今は認知症アルツハイマーを患っていて、近過去の記憶がおぼつかない。事故の後遺症で顔が痙攣すると、記憶が消える。

溺愛している娘。

それに近づく警察官の男。

 

主人公の一人称で終始語られるのだが、本当に信じていい物なのかがわからないのが味噌のクライムミステリー。

警官の男は怪しいが、本当に怪しいと言うに足る理由はあるのかないのか?

最初は本人の言うことが正しいのだろうと思っていたのだが、とある事件で、それすら怪しいことが明かされたところから、一気に普通のクライムサスペンスでなくなって行く。『博士の愛した数式』や『メメント』のような、誰も信じられない展開。

 一切の情報を読まずに見ることをお勧めする。

 

主人公を演じるソル・ギョングの演技が素晴らしい。撮影当時50歳くらいのはずだが、70代にしか見えない。若い時のカットバック、記憶障害がない時、ある時の姿勢から表情から。カメレオン俳優と言われているのもよくわかる。