国立新美術館『安藤忠雄展 挑戦』(行きたいところ)

 

人生とは挑戦なんですよ。

youtu.be

サントリー佐治敬三さんが、お前は面白いやっちゃと。青春を生きる見本になれ、と言われました。

青春とは20代30代の歳を言うのではなくって、70代でも80代でも目標を持って、自分に何ができるか、社会に何ができるかということを、考え続けている時が青春だと。だからお前は青春の見本になれ。と言われたんですけどね。

 まあ、毀誉褒貶は激しいが、面白い建築を第一線で作り続けている巨匠には間違いない。

20代には安藤建築めぐりをしたりしていたので、見に行きたいな。

やはり目玉は光の教会だと思う。茨木市の本物は見に行ったことがある。

本物は十字部分にガラスがはめてあるが、今回の1/1模型にははめていないのだそうな。安藤自身ははめていない方がよかったと、今回の出来栄えを見て言っているらしい(上記YouTubeでもそう言っている)

少なくともこれは見てみたいなあ!

 

国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展―挑戦―|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

www.tadao-ando.com

 

 

 

 

 

 

高橋慶太郎『ヨルムンガンド』サンデーGXコミックス(全11巻完結)

最初、なんで『ヨルムンガンド』なのかわからなかったのだが、読み終えると確かにヨルムンガンドですね。

この本の表裏には

五つの陸を食らい尽くし
三つの海を飲み干しても
空だけはどうすることもできない。
翼も手も足もないこの身では。
我は世界蛇。
我が名はヨルムンガンド

とある。そして、そういう物語だ。

 

ちなみに、北欧神話としてのヨルムンガンド

ヨルムンガンド - Wikipedia

 

最初はガンアクション漫画だと思ってて、5巻くらいまで読み進めていたのだ。

アニメ版だとこんな感じだしね。


ヨルムンガンド戦闘シーン1〜2話

が、単行本派なので途中から買い損ねていた。いやー、こういう終わり方だったのか。想像をかなり超えていて、素晴らしかった。

ネタバレ

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石塚真一『BLUE GIANT』ビッグコミックス(全10巻/完結)

猫のシーンが好きだ 。

3巻で、猫が雪の中まっすぐに「ひと目もくれず」歩いていく姿が描いてある。

無音の雪の中、自分が目指す方向をじっと見つめて。

それが、宮本大という青年の強さなのだと思う。

彼の主人公力は、『うしおととら』の蒼月潮に似ている。まだ、何もないが、才能があり、バカまっすぐにそれを貫く姿に周りが少しずつ魅了されていく。人の繋がりが彼を少しずつ高いステージに押し上げていく。引き上げていく人もいる。一緒に歩く人もいる。喜んで捨て石になる人もいる。そう、彼と共にある喜びを見せることができるのだ。

スラムダンク』で、メガネくんと赤ゴリが、3年になって初めて持てた仲間、流川と桜木。それよりも前には同級生のバスケ部員は辞めていった。一緒にプレイをすることの辛さの方が、喜びを上回ってしまったからだ。

バスケも、ジャズも、楽しいことばかりではない。むしろ辛いことの方が多いはずで、そこは逃げずにこの『BLUE GIANT』には描いてある。でも、それを上回る喜びを周りの人に与えつつ、物語ごと引っ張る宮本大を、僕は尊敬する。

おまけ漫画で、作者が漫画から音は出ないといっていた。しかし、私の頭の中では、いろんなジャズが浮かんで、大きな歌を響かせていた。

青春時代に何かに打ち込んでいて、そしてそれを果たした一部の人と、果たせなかった大多数の人に、ぜひ読んでもらいたいと思う。

そのうち、Jazzにちょっと興味が出たとしたら、以下のyoutubeの音楽を聞いてみると良いかも。


BLUE GIANT×ジャズの100枚。スペシャル・ムーヴィー


ソニー・ロリンズ セント・トーマス Sonny Rollins St. Thomas

 

 

 

見るかも> "Loving Vincent"『ゴッホ〜最期の手紙〜』 / 油絵アニメ

まずは予告編を。


LOVING VINCENT Trailer (2017)

日本語版予告編

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ゴッホタッチの絵がアニメとして動いている。

ほぅ、フォトショップでレタッチするとこうなるのかな、と思ったら、本当に油絵で描いているらしい。

www.youtube.com

 

公式ページ。

www.gogh-movie.jp

山口つばさ『ブルーピリオド』月刊アフタヌーン連載中

最近のアフタヌーンの中でのお気に入りが、山口つばさ『ブルーピリオド』だ。

afternoon.moae.jp

 

ある種、鉄板の話である。ある程度なんでもできる人が、なんでもできるが故に退屈していて、ひょんなことでその「何か」に出会ってしまい、今までも「広く浅く」から「狭く深く」を目指していく、ビルディングロマン。

鉄板な話なので、細部が大事になってくるのだけど、細部にすでに神がいる状態。

渋谷ブルーな感じとか、それな、って感じ。

ライバルや先輩、同輩なども巻き込んでの話になるが、どうしてもステレオタイプになりがちのところ、うまくキャラ立てをしている感じ。書き割りではなく、そこに人がいる感じがいい。

こういう話って、下手すると安易に天才論になってしまいがちだし、また、フィクションだと作者以上の神はいないわけだから、下手な天才を出すと急にフィクション世界が壊れてしまう。

芸術の話だから、天才の話とは親和性が高いのだが、さて、ここからどうやってくるか。

高校生に戻った時のような、無限のパワーと葛藤が、丁寧に描かれていくような空気を感じるので、楽しみにしている。

なお、推しキャラは、美術部の先生です。

 

第一話の無料試し読み ↓

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劇団☆新感線『髑髏城の七人』途中経過、花鳥風

髑髏城の七人のIHIステージアラウンド東京での、花鳥風月極の前半三つを見終えたので、とりあえずここまでのまとめ。

 

キャストの違い

シーズン 捨之介 天魔王 蘭兵衛 極楽大夫 兵庫 二郎衛門 贋鉄斎
小栗旬 成河 山本耕史 りょう 青木崇高 近藤芳正 古田新太
阿部サダヲ 森山未來 早乙女太一 松雪泰子 福田転球 梶原善 池田成志
松山ケンイチ 松山ケンイチ 向井理 田中麗奈 山内圭哉 生瀬勝久 橋本じゅん

 
初演は1990年。もう、約30年前の作品がそれなりの強度を持って演じることができるというのが面白い。少しずつ演出もキャストも変えているので、わかっていても楽しく観ている。今回の、花鳥風月極の5シーズンの舞台は、さすがにオリジナルキャストだと歳をとり過ぎてしまうので若返りを図っているし、また、IHIステージアラウンド東京という座席数が1,300ほどの大きめの箱なので、それなりの動員が見込める役者を揃えている。

花:

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鳥:

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捨之介

捨之介に対しては、どうしても評価が辛くなる。必ず古田新太という亡霊との比較になるからだ。刷り込みではないが、彼が圧倒的過ぎて、他の人が演じても、公式二次創作感が個人的には拭えないほどである。特に、なんというかな、声の力の説得性が違うんだよ。腹にずっしり来るような声が、カリスマというか。小栗旬阿部サダヲ松山ケンイチも悪くないんだが、声が軽いように感じてしまう。なんだろうなあ、これは古田新太原理主義になってしまっているような気がするので、評価外。

天魔王

信玄に対する挑発署名で第六天魔王信長と自称し、そこから信長のニックネームとして使われているこの「天魔王」。1990年だと斬新だったかもしれないけれど、さすがにご存知ですよねという域に達していると思う。失われた青春を取り戻すための三角関係。天の寵愛を取り合う、影武者/地と影武者/人と蘭丸。ある意味、一番狂っているのがすでに亡い信長=天魔王を自称するこの「人」のひと。

花の成河(ソンハ)という役者は全く知らなかったのだが、いい意味で小者界の大物的な、小狡さと歪みとを内在させつつ、髑髏党をまとめ上げるカリスマも持つという、なんともネジくれたキャラクターを体現している。

鳥の森山未來は、楽しみにしていて、そしてそれを裏切らなかった。

身体能力がものすごいから舞台映えするので絶対見るべきという話を前から聞いていた。テレビドラマ版『モテキ』の繊細な文系的青年という第一印象があったので、本当かいなと思っていたが、すごかった。ベンチャーでいうと創業者タイプ。勢いでなぎ倒す疾走感が素敵。ファーストタッチがギャグで観客を温めつつ、客の心が開いて来るところでドカンと切り込んで来る。

風の松山ケンイチは、さすがは大河ドラマの主演を張ったひとだという感じ。

人のひとを演じているというよりも、「天を演じている人を演じている」ひとという感じ。結構すごいことをしているんだと思うんだけど、さらにそれを破って出て来る感がなかったかなあ。なりきっているんだけど、オリジナルには勝ちようがないから、今ひとつ垢抜けない感じを演じるという演出だったら、演出家のプラン通りなんだけど。

個人的には、蘭兵衛がそこに信長=天をみて、一緒に夢を見てみたいと思わないといけないので、ところどころ信長が憑依するみたいな場の支配感が出るとよかったのだけど。なんか、期待値が高いのか、松山ケンイチに対して辛辣だな、私w

そう、天魔王というキャラって、花鳥と風では全然違うと思っている。

「花/成河と鳥/森山未來」と「風/松山ケンイチ」の決定的な差は、「天」の器を借りて、自分がやりたいことをしていく「人」のひと的である前者と、「天」になり変わって天がするであろうことをしていこうという後者なんじゃないか、と思っている。

だから前者は、あくまで自分の欲望に忠実なので、ドライブ感が出ていて、後者はなんだかモノマネ感が出てしまうような。

蘭兵衛

個人的にはシナリオ上一番評価が辛いキャラである。とあるクライマックスシーンがあるんだが、その説得力があんまりないと思っていて。脚本でそこが出せないなら、演者の力でなんとかするしかないんだろうかという、とてもモニョる役である。初演版は知らないけれど、再演版の新感線の粟根まことのも、アカドクロ、アオドクロ、ワカドクロも花の山本耕史にもしっくり来なかった。

だが、今回の、鳥/早乙女太一と、風/向井理については、しっくり来始めた。

信長と蘭丸という関係性の下敷きが大事で、蘭兵衛がどれだけ信長を慕っていたのかというところが、見せ所かなと思っています。毒酒はあんまり関係ないかな、個人的には。絵的には重要だけど。

極楽大夫

オリジナルの羽野晶紀や再演版などの高田聖子あたりの、ちょっと訳あり大人の女性がいいと思っている。花/りょう、鳥/松雪泰子は、その流れに沿ったプログラムキャラクターな感じ。風/田中麗奈は、もうそんな役ができるようになろうとしている歳なんだねえという感じ。いや、年下感が大きいので、なろうとして頑張っている感を感じる。逆に、無界屋のキャピキャピ感は田中麗奈の風版が一番出ていて、これはこれでありかなあという感じ。個人的にはこのシリーズだと鳥/松雪泰子版のミュージカルスタイルが結構好き。

二郎衛門

花/近藤芳正、鳥/梶原善は、そうとはみなさん知らないで、一緒に騙されてくださいねという演出で、風/生瀬勝久は、もう皆さん最初からわかっていること前提でいいよねという演出。私は、風/生瀬が一番好きですね。最初から彼は自分のままで、変名だけど変装ではないような感じが良い。よく考えたら近藤芳正梶原善って、『王様のレストラン』で共演してるなあ。

兵庫

このキャラクターの意味がよくわかっていないし、もっと短くなるなら関東荒武者隊って切ってもいいんだと思っていたんだけど、風/山内圭哉は、素晴らしかった。

贋鉄斎

まあ、古田新太ずるいわ。花で、みんなうまいんだけど、なんか観客的にどう見ていいのかという戸惑いの空気があったのが、古田新太の出演シーンで、一気に観客の空気がまとまるという。おかしいです存在感が。

そのた

個人的には、ベースを鳥で、捨之介を古田新太で、兵庫を山内圭哉で、というのが好みです。鳥の殺陣の疾走感とミュージカル感が素敵だったので。

これから、月でかなりの若返りが計られていくし、極ではどうなるかわからないんだけど、物語をどう変えていくのかという部分は興味がある。構造は変えようがないと思いつつも、結構このままでいけるのかわからない無邪気なジェンダー的な古臭さがあるし、これだけの長尺、それなりに言葉での説明が多いから、もっと刈り込んで行かないと成立しなくなるんじゃなかろうかとか。1990年に斬新でも、今から見たらステロタイプ化しちゃうものもあるので、そこはアップデートしないとね。

疾走感も大事だけれど、ねっとり描くところも作っていいかなと思う。

これから、どう変わっていくのかも含めて、期待していきたい。席が取れるかどうかはわからないが、月と極の両方もみて、完走できるといいな。

 

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水野仁輔『幻の黒船カレーを追え』小学館2017(kindle版)

これは幻の黒船カレーを追った、旅行記である。

追うのだから、物語の駆動は「見つかったか」「見つからなかったか」の試行錯誤の積み重ねだ。ミステリーで、「誰が殺したのか」「なぜ殺したのか」を軸に物語を駆動させるのと同じである。

これはしかし、ヘッドフェイクだった。

幻の黒船カレーを追え

幻の黒船カレーを追え

 

「カレーは、インド発祥。イギリスの東インド会社をへて、日本に入ってきた」という定説の裏を取ってみようとしたら、全然確固たる証拠がないことに愕然とするところから、話が始まる。

私も、全く疑っていない定説の裏が全然撮れていないというのは衝撃的だった。

舶来には違いないので、港をめぐる。推理はできるが、確証は得られない。

では、会社を辞めてロンドンに三ヶ月滞在してみる。ロンドン、パリ、ベルリン。

状況証拠は見つかる、しかし決定的なものはない。

探偵のように細かく細かく、いろんな人の手を借りながら、探していく。

 

オチは落ちていない。しかし、そこがいい。幻の黒船カレーに出会う為に動いてきたことを試行錯誤を積み重ねていく過程こそが面白い。学術書ではないので、個人的な、場合によっては取るに足らないことも書いてある。それが伏線になるときもならない時もある。エルモア・レナードではないからしょうがない。人生の出来事の全ては伏線として解消はされない。

著者が出会ってきた理不尽な現実を追体験するのが旅行記の楽しさである。

その楽しさには、多くの苦味が混じっているのが、大人のカレー味である。

そして、著者のカレー人生は続く。著者がサラリーマン生活に別れを告げて、カレーに人生を捧げるという、一つの宣言文とも読める。

そこまでカレーには興味はなかったが、カレー熱にちょっとおかされつつあるかもしれない。

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