cafe de nimben

見たものと、読んだもの

初めてのお泊まりキャンプ

徒歩キャンで、山梨県のキャンプ場に、お泊まり。最高でした。

新緑!

 

 

 

泊まった場所

泊まったのは、PONDキャンプ場。

www.komorebi-pondcamp.com

道の駅はくしゅうから、徒歩で30分くらい、坂を上がったところにある、小さなキャンプ場。

はくしゅうは、サントリーの白州蒸溜所のある、あの山梨県北杜市白州町。空気も水も美味しかった。

大好きな日本酒の七賢を作っている山梨銘醸も白州にある。

www.sake-shichiken.co.jp

 

選んだ理由

は、

ご家族、カップル、デュオキャンプ、ソロキャンプ限定! 

森の中で静かなキャンプをお愉しみください

というコンセプトから。

なんかあったら、ガンガン注意しにいくので、遠慮なく言ってください、という、とにかく静かに過ごすためのキャンプ場。

ワイワイも嫌いではないのだが、今はそういう気分ではないので、落ち着いた感じの初キャンプにしたかったです。

 

準備

初のお泊まりキャンプなので、持ち物選びは難航した。

徒歩だから持てる量に限りがある。必須のものは決まるとして、「念の為」をどこまでとるのかは、初キャンプの身としては、削っていいのか悪いのか、判断が難しい。

必須のものを決める=コンセプトを決める

焚き火セット:デイキャンプでは焚き火デビューしているのだが、夜暗くなってから焚き火がしたいというのは、今回の大きな理由なので外せない。

料理セット:その焚き火で料理がしたいので、マルチグリドル、コッヘル、バーナーなどは欠かせない。軽量化のために、食材は道の駅で購入。

睡眠系:テント、寝袋は外せない。ただ、朝、どれくらい冷えるのか感覚がよくわからなかった。グランドシート、インフレーターマット、寝袋は必須として、電気毛布をどうするか、最後まで迷った。入れることにした。暑いのは、寝袋をはだければいいが、寒いのは着こんでも寒い。風邪をひいては意味がないので。テントは小さいので、コットは入らないから、最初から候補から外れている。

あとは天気予報と睨めっこ。特に、最低気温と雨。前週まで雨予報だったが、ギリギリで雨予報が回避されたので、えいやっと雨具系はほとんど外す。

パッキング

道の駅からは、なだらかな上り坂だとわかっていたので、海外出張にずっと使っていたスーツケースを持っていくことにした。もう20年モノなので、壊れても惜しくないし、丈夫。特にホイールが大きくて安定しているし、多少の雨もへっちゃら。

DODのキャンパーのコロコーロほど長くはないので、大きいテントのポールはギリギリ入らないのが玉に瑕。

このスーツケースに、ナンガの寝袋や、焚き火台、焚き火風防、薪割り斧や料理ナイフなど刃物系などすぐに手に取る必要がないものを入れる。(すぐ取り出せるところに刃物があると、職務質問されたりするとめんどくさいので)

自分の着替えは、自分のバックパックに入れる。シティ用なので、容量もそんなにないし、腰で持つタイプではない。背中と肩紐のクッションは大きめでいいのだが。

テント泊を考えると、ハイキング用の50L超えのバックパック欲しいなあ。

行程初日

家から、道の駅はくしゅうまで

当日は朝から快晴!

チェックインまで焦りたくないので、早めに道の駅について、併設のレストランで昼食をとって、一息ついてから余裕を持って歩いていくことから逆算。

朝二番のバスに乗って最寄駅、駅から乗り継いで、新宿。新宿から特急に乗って甲府甲府でローカル線で韮崎。韮崎からバス。特にバスは2時間に一本とかそういうレベルなので、余裕を持たねばえらいことになる。徒歩キャンパーの宿命である。

 

 

韮崎といえばサッカーよね

韮崎からのバスは面白かった。なんせ、地名に馴染みがない。韮崎から出るバスの最終目的地は下教来石下。読めん。「しもきょうらいし しも」と読む。地名にほとんど、上下がついていて、京都っぽい。

鶯色の鮮やかなバス

運賃表示は十円単位、というのは初めてだった

ほとんど貸切のまま、到着。

道の駅はくしゅうにて

稜線が綺麗

てっ!

道の駅はくしゅうで、ご飯を食べて買い物。

ここのお野菜がとても美味しそう。フランクフルトも豊富。お酒も、北杜市の七賢がメインだが、ワインも色々。一回見ておいて、食堂に。

食堂では、天丼をいただく。野菜の味が濃くて美味しい。

野菜うまうまな天丼。連れの残りも食べたので1.5杯いただきました。

ビールが欲しくなったが、我慢。

キャンプ場まで

食材を買ってから、長い道を上っていく。握力が死にそうである。アルプスの稜線がとてもくっきり見えて眼福。あんなに綺麗だったら、そりゃ「そこに山があるから」になるわなあ。

チェックインと、第一印象

小さいキャンプ場が散在しているので多少迷いそうになったが、なんとかチェックイン。とても親切なオーナーさん達で、「気が合わなかったら小さいキャンプ場だと即死」と思っていた懸念が払拭される。

すでに結構チェックインされている方もいる(もしかしたら連泊かもしれないが)

案内を受けた。なんと言ってもトイレが綺麗なのが嬉しい。10代の時の山小屋は、トイレ酷かったので、そういう恐怖感があった。払拭払拭。

テントサイトは、川縁。

木立の中にあり、川のせせらぎが気持ちが良い。

メゾネットのように、平らなところ、斜めのところ、平らなところ、という3つに分かれる構造。これだと確かに大きめのテントを張ると斜めるから難しいのがわかる。サイト自体は広いんだけどね。

サイト内デザインと、設営

ちょっと休んでからテントを張る。

休みだから地ビールを飲む。八ヶ岳 Green IPA/ Blue Pale Aleをいただく。

IPA/Pale Ale。木立にあうねぇ

道の駅で買ったのだけど、とても美味しかった。

 

テントは、隣のサイトと隣接する方に建てる。テントの横にグランドシートを敷いて、そこをリビングとする。テントはデイキャンプで張ったことがあるので、設営は特に問題なし。地面もそんなに硬くないので、付属のペグで問題なかった。風も木立のおかげか強くないので、ペグ打ちも最低限で済ませた。

寝室とリビング


反対側はサイトがなく、薪割り用の台もあったので、そちらを、オープンエアダイニングキッチンとする。

ダイニングキッチン。薪割り台はキャンプ地ので、大活躍。

焚き火準備

今回のメインイベントで、ここを選んだ理由の一つであるスウェーデントーチも設置。

小さい方にしたので、料理はできないが、純粋に焚き火として楽しむのだ。そのまま焚き火すると、下の方が木として燃え残るので、最後はうまく焼けるようなコツも教えていただいた。とても親切なことに、コールマンの焚き火台も貸してもらえたので、使い心地を試すことができる。

薪は、一つのバスケットに、針葉樹と広葉樹を自分の目で見て選び放題。

これは嬉しい。何が嬉しいって、どれくらいの量を燃やすものか、感覚が掴めないものだから、針葉樹と広葉樹をひと束ずつ買っていいのかどうか、よくわからないから。まあ、余ったら返すのが礼儀だと思っているのだけれど、どうせならちょうど良く使い切りたいものね。

お散歩

設営後のお散歩。川のせせらぎ

リバーサイト(River 3) だったので、川のせせらぎが美しい。

川縁に降りることができるので、歩いていく。階段が設えてある。

なんと言っても新緑が美しい。瑞々しく、滴るような若葉。そこにたんぽぽなど。

川は底も横も人造。昔はおそらく大雨になると暴れたのだろうと思われる。

小さなダムもあり、そこの裏に入れるらしいが、それまでに濡れそうだったので、入らなかった。夏だと入ってもいいかなあ。天然水ウォータースライダーもあったし。

ダム

薪割り

薪割り斧を買ったので、これのデビュー戦。

気持ちよく割れる。そう、薪は切るのではなく、割るのだ。

斧なので、刃が肉厚だから、割りやすい。これは、ナイフの勝る利点だね。

簡単にフェザースティック作りも試してみる。刃が鋭いので、簡単にできる、と思ったら、力を込めすぎて、スティックに残らない。これは練習が必要だね。

針葉樹は、前もデイキャンプで割っていたので勝手を知っていた。広葉樹は、本当に硬い。ただし、木の繊維に沿って刃を当ててやれば、それほど難しくはない。

コツがだんだんわかってきたのだが、薪割りは、筋肉でやっちゃダメね。遠心力と当てる角度の問題。遠心力は、肘から曲げて叩くのではなく、肩とか背中とかから叩く感じにすると、肘から指よりも、肩や背中から指の方が長いので、モーメントが強い。また、力で振り下ろすというより、バトニングする刃の背に上から落とすのを邪魔しない感じでやると、変な力が入らない。当てる時は、地面に対して鉛直方向に入るようにすると、力が全部伝わる感じ。ぱかーーーーんと、軽い音を立てて割けて飛ぶ。飛ばしすぎないように注意するくらい。

お風呂

温泉が近くにある。スーパー銭湯的な感じ。

鱗雲

キャンプ地で優待券をもらって行く。途中にもキャンプ場があるのだけど、どこも素敵だなあ。バイク+ソロサイトとかかっこよ。

ちょっと迷いながらも到着。

外風呂もあり、赤い色の温泉に浸かる。温度は40度を切るくらいで、そんなに熱くはない。しかし、塩のおかげでとても温まる。何時間も浸かれるくらいの感じ。鱗雲を見ながら、ゆっくりのんびり。

温泉を出たら、信玄餅ソフト。うまうま。白玉というかきな粉餅は美味しい。

湯上がりうまうまソフトクリーム

ソフトはトルコアイスのように伸びる感じで楽しい。

帰ってきたら、流石に暗くなってきていた。

夕暮れは美しいね

ご飯!

今回は、ガスではなく焚き火での料理をする。マルチグリドルで調理。焚き火台は鹿番長で。

ヤサイマシマシ

マルチグリドルに、道の駅で買った茎ブロッコリーとフルーツトマトをおく。真ん中にフランクフルトを置いて、炒め煮な感じ。調味料は少しのサラダ油とお塩のみ。

フランクフルトの塩味で結構いけた。油はもっと少なくても良かったので、追い野菜をした。

北杜ワインとよく合った。北杜ワインは、葡萄がカベルネ・ソーヴィニヨンメルローというボルドーでよくあるパターン。マスカットベリーAはあまり得意ではないので、これを選んだが、大正解。

www.furusato-tax.jp

濃い野菜やフランクフルトの味にも負けず、美味しかったです。

運動とお風呂の後だから、アルコールが回る回るw

スエーデントーチも残り1/3くらいのところで、薪を投入。一番下まで灰にして、目一杯楽しむ。やはり、夜の焚き火は美しい。

スエーデントーチを焼く

心残りは、雲があったので、星が見えなかったこと。

本当は「星が降るような」という定型句のごとく綺麗な空だったのだろうに。ま、次だな。

翌朝

寒さで目が覚める。電気毛布を持ってきていたのに、電源を入れるのを、酔っていて忘れている。残念。つけるとぬくぬく。

エアポンプで膨らませるインフレータマットを持って行ったのだが、シュラフから滑って落ちてしまうので、あまり活かせなかった。

春とはいえ、山梨の山の中なので、気温は想定よりも下がっていた。

これは経験せねばわからないな。次からはもうちょっと暖房をしないと。

起きて、トイレ。

キャンプ地というか山小屋は、ポットん系しか経験がないので、水洗で臭いもないトイレは、とても嬉しい。

寒いので、朝飯の前に、焚き火をする。ぬくもる。

朝ごはんは、スパニッシュオムレツ的な何かになった。自動炊飯のご飯と合わせて、うまうま。

漬物は糠漬け

荷物詰めるのが難しく、コーヒーセットがなかったので、次回はリベンジだな。

焚き火は、広葉樹が残っていたが、全部燃やす。気持ちいい。

来た時よりも美しく、丁寧に(二日酔いだから、多少残ったかも)して、撤収。

帰りは荷物を持ってはいたが、下りなので楽々。体感的には1/10の時間で降りる。

キレイだったなあ

道の駅で、お土産など購入と時間調整。

数時間に一度のバスに乗って、韮崎まで。

買ったはいいが飲めなかった七賢を飲みながら、ゆっくりと新宿まで。

その後、来たみちと逆順で帰る。帰っても、日が沈んでいないのは、とても素敵。

洗い物などして、写真で後夜祭もして、楽しくおしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンプにハマりつつある理由

忙しいという字は、心(りっしんべん)を亡くすと書く。

心を亡くすと言っても、実際には死んでいない。脳みその稼働するためのパワーがなくなることだ。なくなると、あんまり複雑なことや、多くのことを考えるのは難しくなる。難しいなら、やれることは簡単なことに限られる。

 

ということで、ゆるキャン△だ。

yurucamp.jp

www.tv-tokyo.co.jp

 

なんと言っても、悪い人は出てこない。安全な世界で、誰かを脅かそうという人はいない。その中で、のほほんと、ゆっくりまったり、時が過ぎていく。

実写版もアニメ版もだが、そういう空気感があるので、特になんということもなく見ていられるのがありがたい。

 

実はキャンプは、多くの人がそうであるように、夏に、グループで、車でするものだと思っていた。冬に、ソロで、徒歩で行うものだとは考えていなかったのだ。

私がキャンプをしていたのは小学生とか中学生時代だったので、道具もいろいろ進化している。メスティンとか、吊り下げ型テントとか、まるっきり知らない単語でいっぱいだった。

 

実際にやってみたいなと実行に移したのは、昨年の秋口。キャンプというよりもチェアリング。海辺の公園の木陰で、ヘリノックスのチェアに座るというところから。

暑過ぎない時に、海を、遠くを見ながら風に揺られるというのは、新鮮な感動だった。

地べたの座るのではなく、椅子に座ってそれをするというのも、私には新しかったし、快適だった。

海辺では、テントやタープを張っている人もいた。そうすると、プライバシーが守れる。そうすると、買って試したくなる、という順序だ。

 

コロナが蔓延している時期でもあるので、なるべく人と離れたいとなると、このキャンプってやつは良い。

 

2年くらい前からそう思う人が増えて、キャンプブームになったらしいということはわかったが、流行るにはそれに見合う理由があるもんだなと、もうちょっと早く飛びつけば良かったと思った。

2022年面白かった美術展

コロナが落ち着いて来つつあるので、ちょっとは行けた。

2021年はどこにも行かなかった(行けなかった)ことを考えると、良化。

 

フェルメール

知識的に面白いなあと思ったのは、春のフェルメールフェルメール『窓辺で手紙を読む女』の修復前後を見ることができたのは楽しかった。

 

nimben.hatenablog.com

 

昔はそんなにフェルメールに惹かれなかったのに、どうしたことか。適度な謎がそそるのか?

www.rijksmuseum.nl

来年早々にアムステルダム美術館でフェルメール展をやるのだけれど、遠いけど行きたいなあと思うほど。2018年の上野の森美術館でのフェルメール展よりも多いんじゃなかろうか。

 

リヒター

名前は聞くけど、よくわからなかったのだが、まるッと見ることができたので概要が掴めてきたのは嬉しい。

nimben.hatenablog.com

 

大型の作品が多かったのもあり、迫力を感じた。

『ビルケナウ』はどう解釈というか、咀嚼していいのか、いまだにわからないのだけれど。

ロスコーもそうだけど、何に執着しているのか対象はわからないけれど、執着しているという熱量だけはビンビンに感じるので、抽象画って面白い。言語化できないモヤモヤを解き明かすというか、それを見て、自分が知らない自分の感じ方に気づくというか。

 

オールスター:トーハク150年

nimben.hatenablog.com

 

国宝がこんなに一堂に見られるのは楽しい。

やはり、金箔が背景にある絵画が好きだなあ。狩野派、長谷川派、琳派、そして若冲

サントリー美術館『京都・智積院の名宝』は、ほぼ同時期開催のトーハクにお客が取られたのか、人も多くなく、じっくり等伯を見れたので眼福でした。

美術館を超えて、自分で線を引くのって、面白いよねぇ。

 

今年は、前後期で展示替えがたくさんあるものが多かった。

『国宝 東京国立博物館のすべて』『日本美術をひも解く』なんかは、目玉が変わるくらいの。

そして、前期後期両方見る場合の割引については、やっぱり考えてほしいなあ。

もっと気軽に行けるので。まあ、そんなにいくなら会員になれ、という話かもしれないけれど。

 

2023年

今年はあんまり彫刻に触れる機会がなかったので、来年はたくさん見れるといいな。

#空也さんが彫刻系では一番良かった。

 

テートやルーブルの作品が来るようだけど、まだ、彫刻系はアンテナに引っかかっていないので、もうちょっと待ちなのか、美術館ではなく、教会やお寺さんに行けということなのか。はてさて。

国外だと、アムステルダム美術館のフェルメール展がすごいんだけどね。行きたい。

 

さて、来年は何を見ましょうか?

最後に、皆さんのご健康とご多幸をお祈りして。

 

付録:今年行った美術展

nimben.hatenablog.com

 

nimben.hatenablog.com

 

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京都・智積院の名宝 @サントリー美術館

トーハクの国宝展繋がりで、長谷川派の図屏風があると聞き、参上。

長谷川等伯やその息子の久蔵の図屏風(国宝)も良かったが、全く予期していなかった堂本印象の図屏風も良かった。こういう良き出会いって素敵。

 

長谷川等伯

楓図

Érable entouré d'herbes d'automne (détail) par Hasegawa Tōhaku.jpg
Asie - auteur: Akiyama Terukazu - éditeur: éditions Albert Skira – リンクによる

 

桜図

Cherry-tree.jpg
長谷川久蔵 - Shimizu, Christine: L'art japonais, Flammarion, パブリック・ドメイン, リンクによる

 

松に草花図

Pine tree Flowering plants Chishakuin Tohaku.JPG
長谷川等伯 - Postcard published before 1986, パブリック・ドメイン, リンクによる

 

キンキラキンなのに躍動的で静謐。

世の盛りが満月ならば、その1番の輝きを描こうというものなのに、これから咲いていくような生命力をも感じる。

この壁画や図屏風を肴に、お酒を飲みたい。

 

松林図屏風は以下のように水墨画なので、感じは違う。(東京国立博物館のものなので、サントリーでは展示されていない)

Hasegawa Tohaku - Pine Trees (Shōrin-zu byōbu) - right hand screen.jpg
By Emuseum, パブリック・ドメイン, Link

Hasegawa Tohaku - Pine Trees (Shōrin-zu byōbu) - left hand screen.jpg
By Emuseum, パブリック・ドメイン, Link

 

これも、冬の雪や風に煽られながらも、強く生きているという生命の強さを感じる。

 

堂本印象

『松桜柳図』が、またいい。図屏風だけど等伯とは全く違う色彩の、昭和三十三年の作品。具象画と抽象画の間にあるような。色彩もポップなのに静謐という。

 

 

www.suntory.co.jp

 

長谷川等伯の国宝は三つ。そのうちの二つが展示される

  1. 松に草花図・桜楓図・松に梅図・松に黄蜀葵及菊図
  2. 松に草花図
  3. 松林図

このうち、松林図屏風(#3)は、東京国立博物館の正月展示で有名。

他の2作は、智積院保有。なお、読みは「ちしゃくいん」。「ちせきいん」ではない。(私は間違えてしまった)

来年2023年4月4日に、智積院宝物館ができるので、その間に、初めてお寺さんの外での展示、となる。

 

智積院とは?

真言宗のお寺さん(なので、弘法大師の絵がある)。寺号は根来寺

根来寺といえば、司馬遼太郎『尻啖え孫市』でお馴染み雑賀衆と同じ時代の鉄砲衆である根来衆は、ここを拠点としたことで知られる。根来寺は一度、豊臣秀吉によって壊滅されている(1585年)。高野山に難を逃れた住職の玄宥僧正が、祥雲寺を江戸幕府から譲り受け、再興 (1615年)。

祥雲寺は、3歳で亡くなった息子の菩提を弔うために、1591年に豊臣秀吉が建てた寺。長谷川等伯はの絵は、この祥雲寺のために描いたもの。