クリムトを生で見るのは初めて。
素晴らしかったです。
特設Webサイト
東京都美術館のサイト
ユディトⅠ
By グスタフ・クリムト - http://www.belvedere.at/en/sammlungen/belvedere/jugendstil-und-wiener-secession/gustav-klimt, パブリック・ドメイン, Link
1901年 油彩、カンヴァス / ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
84×42cm なので、そんなに大きくない。大作かと思っていたんだよね。
クリムトのこの作品は、異様に書き込まれた黄金の首の文様とユディトの蕩けるような顔。ホロフェルネスの顔はほとんど見えない。有名な絵の流れからしても、異様な作品。20世紀は始まっているが、世紀末的退廃が漂う。エロスとタナトス。
元ネタのユディト記
アッシリアの王ネブカドネザルが、ユダヤに侵攻。アッシリア軍司令官ホロフェルネスは、ユダヤのベトリアを包囲。その町の美しい寡婦ユディトが、ホロフェルネスを酔い潰し、首をはねる。動揺したアッシリア軍をユダヤが追い払う、というのが旧約聖書のユディト記のお話。
1472年ごろ。ボッティチェリ『ユディトの帰還』
By サンドロ・ボッティチェッリ - The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., パブリック・ドメイン, Link
敢然と敵司令官と対峙し、勝利を収めた誇らしさと凛とした意志を感じる。
1530年のクラナッハ作のユディト
Lucas Cranach d.Ä. - Judith mit dem Haupt des Holofernes
By ルーカス・クラナッハ - The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., パブリック・ドメイン, Link
なかなか無表情。ホロフェルネスの首の肉の盛り上がりがリアルで気持ち悪い。
首取りましたので、ちょっと記念撮影というような、軽い感じが怖い。
1598-99ごろのカラヴァッジォ作
By ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ - http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/caravaggio/judith.jpg, パブリック・ドメイン, Link
スカーレット・ヨハンソンに似ているこのユディットだと、腰が入っていないから首が切れなさそうではある。お付きの老女の方が強そう。とはいえ、それ以外はカラヴァッジォらしいテネブリズムがリアリティを添える。
なんでこんなに腰が引けたように描いたんだろう、ホント。
しかし、全然みなさん作風違うのね。
ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)
By Daderot - Own work, Public Domain, Link
これは、大きい。244×56.5cm
ユディトの顔にも共通する、ぼんやりとしている二次元的な体、青と金の組み合わせが美しい。
第九、フルトベングラーとは、わかってらっしゃる。
凍れる音楽という感じ。リズムとか、合唱の様子とか。五線譜を絵に書き起こしたような。とはいえ、音楽的な部分を一旦停止してみても、これまた美しい。