cafe de nimben

見たものと、読んだもの

ネット放送の雑な話

うちはNetflixAmazon Prime Videoを見ることができる。

ネット配信プラットフォームを知ったのは、Amazon Prime Videoが最初。

Amazon Prime Videoは、Primeの権利分として見られるものに限定して利用をしていて、レンタルで課金するのはまだしていない。

2015年にオリジナルドラマとして、『高い城の男』をやるという話を聞いたときから、そういう囲い込み方があるのかと思った。

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

 

しかし、きちんとAVシステムにつなげてみようと思うと、Amazon Fire TV Stick (市価5,000円くらい)を購入せねばならず、これがWi-Fi オンリー。有線Ethernet対応となるとアダプタ(1,800円くらい)を購入が必要になる。というのに二の足を踏んで、ずっと見ていなかった。

しかし最初に契約したのはNetflix

www.netflix.com

そのうち、Netflixが面白いらしいと。CSかなんかで "House of Cards" を見て、これは面白いぞということで、続きが気になって、Netflixに加入。Netflixはブラウザベースで見ている。ちなみに、映像品質はFull-HD. 4Kにはしていない。Netflixを見ているiMacは5K仕様ではあるのだが、そこまで高い解像度を自分が求めていない。4Kにすると余計な課金も発生するし、バッファリングで途中で止まるリスクの方が興醒め。今のところ品質には満足している。

当たり前ながら、見たい映画やドラマが全部あるわけではないので、そこは妥協が必要だ。とはいえ、Netflix Originalの作品は質が高いものが多いので、あるもので満足することを覚える。どうせ全部を見ることはできないし。

画質はちょっと面白くって、全画面だとFull HDになるのだが、画面を小さくすると自動的に解像度をダウングレード、画面を大きくするとアップグレードするようになっているっぽい。で、その差があまりわからないように調整されているのは、かなりいい。

Amazon Prime Videoの契約と環境の構築

にもかかわらずAmazon Prime Video環境を用意しようと思ったのは、"Vinland Saga" を見たかったからだ。NHKの日曜深夜放送だったのだが、どうしても録画し忘れをしてしまい、見ることができなかった。後からこれはamazonでやるらしいということを知って、加入したしだい。自分の行動を見ると、どのメディアかというのではなく、どのコンテンツかで選んでいるのがわかる。Contents is King という行動を自分がしていて、なるほどねと思った。

Amazon Prime Video視聴への技術的不満

Amazon Prime Videoには技術的不満がある。Wi-Fi接続が安定しないのだ。いや、これがFire TV Stickの仕様なのか、自分のWi-Fi Routerの仕様なのかはわからないのだが。

症状は、視聴中にWi-Fi接続が切れるというもの。Wi-Fiの電波強度には問題ないのだが、インターネットへの接続ができなくなる。Fire TV Stickのエラーからは、Wi-Fiのチャネルを指定しろと書いてあったので、そのようにしてみたのだが、状況は改善されない。一定時間ストリーミングで流していたら、自動的に帯域を絞るなどの仕組みがRouter内にあるのかもしれないとも思ったが、その割と「一定時間」に切れるわけでもない。対処療法として、Wi-Fiの設定を解除して、再度パスワードを入れ直す、というハメになる。ユーザ体験としてはいただけない。安定的にみようとすると、アダプタ買うかねぇ。

安定するなら、家族で視聴するときはNetflixAmazon Fire TV Stickからという一瞬プラットフォームの話か端末の話か頭がこんがらがる使い方をしてもいいのだが。

問題はもう一つあって、ブラウザだとキーボード入力で検索ができるのだが、リモコンだとAlexa経由の音声検索。これが正直難しい。

これは、慣れの問題の可能性が高いので、もうちょっと試してから。

 

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」@東京国立博物館

京都に行って愛でた源氏物語系のお話よりもさらに前の日本書紀のお話。1300年前。

 

www.tnm.jp

第 1 章 : 巨大本殿 出雲大社

 日本書紀の生(と言っても当然写しではあるのだが)を見るのは、多分初めて。

#以下の写真は、展示されていた箇所とは違います。

Postscript from The Age of Gods chapter, The Chronicles of Japan (1286).jpg
Urabe Kanekata - [1], パブリック・ドメイン, リンクによる

 

まずは日本書紀を提示して、そこに書かれた「幽」を司る出雲と「顕」を司る大和比較、と言うコンセプト。

そこからの、宇豆柱と、本来ならばこうなっていたであろう柱の模型を下から見上げる形で、どん。これを元にした復元模型どん、と、いきなりサビから入る感じ。

 

出雲大社の、本殿前の宇豆柱跡の写真

nimben.hatenablog.com

 

 出雲大社内の宝物館の古代御本殿心御柱の展示の話を少しだけ

nimben.hatenablog.com

 

兜に、天照皇大神春日大社八幡大菩薩と透かしが入っていたのは、面白かった。この三つ並列というのが。

第 2 章 : 出雲 古代祭祀の源流

写真が公式ページにちょっと載っています。

www.tnm.jp

ガラスの勾玉の青が美しかった。

 

 今回出雲からきた銅鐸などが収められているところ。ここも圧巻です。

nimben.hatenablog.com

ウミガメ、シカなどの彫り物がしてある銅鐸もかわいい。

 

康永年間(1340年頃)以降、千家氏と北島氏に別れた、出雲国造(いずものくにのみやつこ)のうち、北島氏のところ。

千家氏は、神社本庁包括の別表神社として、北島氏は宗教法人出雲教として、今も共に出雲大社を祀る。

『出雲と大和』では年表に一行触れられているだけでした。

nimben.hatenablog.com

第 3 章 : 大和 王権誕生の地

大和パートでは、七支刀が個人的ハイライト。石上神宮に伝来した古代の鉄剣で、木のわくに嵌められて、面も裏も鑑賞できるようになっていた。これはナイスアイデア

長さは約75センチと、思ったより大きくなかった。掘られた文字が金色に光るのも素敵。

 

こっちはレプリカの写真。(今回展示されていたのは本物です)

Chiljido.jpg
The user's homepage - https://www.flickr.com/photos/hendry/189880424/, CC 表示 2.0, リンクによる

 

www.isonokami.jp

 

石上神社って、春日大社大和国一宮の三輪神社の中間くらいにあるんですね。JR桜井線で行くと全部回れそう

www.westjr.co.jp

 

 

第 4 章 : 仏と政(まつりごと)

重要文化財 持国天立像(飛鳥時代・7世紀 奈良・當麻寺(たいまでら)蔵。脱活乾漆造)がカッコ良かった。

大和は唐招提寺広目天多聞天、出雲は萬福寺の四天王と、四天王の共演もあったが、場所による差はすでにない感じでしたね。

大和の十一面観音様はどちらも奈良時代の安らぐ感じ。

「出雲と大和」だったので、こんなに仏像がでてくるとは思わなかった。

 

最後に二つ

古墳

どの章だったか忘れたのですが、古墳の話が面白かった。

古墳は出雲が先、その跡前方後円墳などの奈良の古墳に展示が移ります。

「四隅突出型墳丘墓」という正方形の角が長く突出した形の墳墓があるというのを知らなかったので、映像による説明を面白く鑑賞しました。

ja.wikipedia.org

古墳の周辺に特殊なフィルムを置いて、古墳の中に空間(石室とか)があるかどうかを調べるってのも面白かったなあ。非破壊でいろんなことができるんですね。

出雲国造神賀詞

出雲国造神賀詞の神話(駒沢大学

http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/32737/rsg078-01-takiotoyoshiyuki.pdf

出雲国造神賀詞を音声で初めて聞いたのだが、なるほどわからん。割と神道の言葉は、神様にわかるように昔の言葉で書かれているという話でもあるのだけれど。

出雲国造神賀詞は延喜式にも記されていて、天皇出雲国造が申し上げるお話。

ここで、国譲り神話の描写が、古事記日本書紀にあるような、最初に派遣された神々が3年8年も復命せずに、ということではない話が、神賀詞に記されていることを比較したのが、上記PDF。

PDF中にも触れられているが、記紀とは違う描写を奏上するってのは、なぜそういうことになったのか、謎めいていて面白い。

ウォン・シニョン監督『殺人者の記憶法』2017韓国

今年2020年『パラサイト』でオスカーをとった、ポン・ジュノ監督の2017年の作品と間違えてnetflixで見た作品。ポン監督のは『殺人の追憶』2003なので、それで間違ったか。

 

殺人者の記憶法(字幕版)

殺人者の記憶法(字幕版)

  • 発売日: 2018/08/02
  • メディア: Prime Video
 

 

主人公は、かつて連続殺人犯だった動物病院の医師。今は認知症アルツハイマーを患っていて、近過去の記憶がおぼつかない。事故の後遺症で顔が痙攣すると、記憶が消える。

溺愛している娘。

それに近づく警察官の男。

 

主人公の一人称で終始語られるのだが、本当に信じていい物なのかがわからないのが味噌のクライムミステリー。

警官の男は怪しいが、本当に怪しいと言うに足る理由はあるのかないのか?

最初は本人の言うことが正しいのだろうと思っていたのだが、とある事件で、それすら怪しいことが明かされたところから、一気に普通のクライムサスペンスでなくなって行く。『博士の愛した数式』や『メメント』のような、誰も信じられない展開。

 一切の情報を読まずに見ることをお勧めする。

 

主人公を演じるソル・ギョングの演技が素晴らしい。撮影当時50歳くらいのはずだが、70代にしか見えない。若い時のカットバック、記憶障害がない時、ある時の姿勢から表情から。カメレオン俳優と言われているのもよくわかる。

 

 

新春特集展示 子づくし─干支を愛でる─ @京都国立博物館

たった一部屋なんだけど、子年スペシャルでかわいいものが揃っていました。

こいつは春からめでてーな、です。

 

https://www.kyohaku.go.jp/jp/project/ne_2020.html

勉強になったのが、なぜ穀物を荒らすネズミが愛らしい子孫繁栄の象徴になったのかという点。

七福神の大黒天が、大黒=大国=大国主命古事記に言うスサノヲから意地悪されたときに助けてくれたネズミと仲良し、と言う変遷をへて、富と豊穣の象徴となったと言うのは知らなかった。

蝋燭に鼠根付線刻銘「岡友」や永楽妙全作の「黄交趾釉俵鼠置物」の金色に光る俵のうえの白鼠の愛らしさとか、新羅十二支像護石拓本(しらぎじゅうにしぞうごせきたくほん)のカッコよさとか、小槌鼠文様掛袱紗の豪奢な感じとか。

ネズミを示すにもいろんなやり方があるものだなあと。

行灯の油を舐めるネズミ(に見せかけて実はネズミが給油している)とか、とんちが効いていて良かった。ろくろ首かよ、とも思ったが。

 

展示品リスト

https://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_1/1F-2_20200102.html

公式紹介ブログ

https://www.kyohaku.go.jp/jp/torarin/blog/2020/01/200110.html

幻の源氏物語絵巻 @京都国立博物館 と野宮神社

源氏物語絵巻、いやーカッコ良かった。

源氏物語絵巻 葵
伝土佐光起筆
六巻のうち、巻一、巻二、巻三

 

絵部分と文字部分が交互に書かれている。

巻物の地の金色が、まずキレイ。

絵は繊細な平安風で、文字は金の細やかな模様が入っている。 

Tale of Genji, Warbler's First Song (Hatsune), Tosa Mitsunobu painter, Son'o Jugo calligrapher, Japan, Muromachi period, c. 1509 AD, paper - Arthur M. Sackler Museum, Harvard University - DSC01144Tale of Genji, Warbler's First Song (Hatsune), Tosa Mitsunobu painter, Son'o Jugo calligrapher, Japan, Muromachi period, c. 1509 AD, paper - Arthur M. Sackler Museum, Harvard University

ハーバード大学所蔵版なので、違う版。ただし絵の感じは似ている。

文字のところの感じは全く違うのだが。

 

葵なので、六条御息所の生き霊の話。

あんなに気高い六条御息所が、無意識に生き霊になってという、涙無くして語れない物語。

それが金色で描かれるがこそ、そこはかとなく悲しい。 

 

https://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor2_1/2F-1_20200102.html

 

その後、野宮神社へ。

源氏物語第十帖『賢木』にも綴られる物語。六条御息所が娘(のちの秋好中宮)と共に伊勢神宮へ下るお話。伊勢神宮に行く前に1年間、身を清めるのがこちらの野宮神社

野の宮は簡単な小柴垣こしばがきを大垣にして連ねた質素な構えである。丸木の鳥居などはさすがに神々こうごうしくて、なんとなく神の奉仕者以外の者を恥ずかしく思わせた。

与謝野晶子

 

確かにそんなに大きくない神社だった。キレイな竹林に囲まれていて、美しい。

鳥居が特徴的で、黒木鳥居と言って樹皮を剥かない鳥居

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野宮じゅうたん苔f:id:nimben:20200127122107j:plain

 ビロードのように美しい。うっとり。

 

恋愛のパワースポットとして有名なようで、海外の方が日本人より遥かに多かった。

みんな恋愛スポット好きやねんな。