今年は予定していたことができない以上に、予定外の美術鑑賞ができて、全体としてはとてもよかった年だった。なんといっても、パリとロンドンに行くことができたので。
パリ:ルーブルとオルセー美術館。
これは記事にしていなかったので、簡単にふれます。
別格:サモトラケのニケ @ルーブル美術館
ニケはいつみてもニケなので、過去記事にて。
#20200202: 過去記事がうまく貼れていなかったので貼り直した。
刻々とかわる陽光のなかで、刻々と表情を変えるニケに寄り添うのは、とても幸せでした。
Marc Chagall/シャガールの天井画(1964年) @パリオペラ座
1875年に竣工したガルニエ宮に、1964年にシャガールの『夢の花束』を天井画としてつけたもの。100年ちがうというのに、非常にしっくりきていて、キンキラキンなのに優雅という息を呑むような組み合わせでした。
『7月28日 - 民衆を導く自由の女神』(1837年)
Ferdinand Victor Eugène Delacroix / ウジェーヌ ドラクロワ @ルーブル美術館
これもロマン派か。そういう区別でみていなかったので、調べるとおもしろいね。
いわずとしれた名作なんだけど、一般に知られているのはこの撮影だとおもう。
シワが縦1/3と2/3のところに真横にはしっていること。女神に目を奪われていたが、足元に屍体がたくさんあることに今回気が付いた。
上三分の一は女神の顔と三色旗。
真ん中の三分の一は、生きる人間の顔。
そして下三分の一は、犠牲になった人たち。
これに気づけるのは、生の良さだなあ。
François-Édouard Picot François-Édouard Picot, L'Amour et Psyché (1817).
これ、びっくりしたのだけど、天使にちんちんがついている! 天使は無性だとおもっていたので、男性器が存在しているのもあるのだなと、感心してしまった。
Par http://augustonemetum.ifrance.com/tableau.htm, Domaine public, Lien
『パオロとフランチェスカ』(1855年)
Ary SCHEFFER (アリ シェーフェル)@ルーブル
ロマン派のこの作品は、今まで見たことがなかった。悲劇と官能とが合わさったこの作品は、物語の前後をいろいろ妄想させてくれて興味深い。下敷きはダンテ『神曲』第一編第二圏五歌。
By アリ・シェフェール - [1], パブリック・ドメイン, Link
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
私を追いかけて東京の新国立美術館にもきたのだけど、それは見逃した。
やはり大作は生で見ると迫力がちがう。映画を自宅やモバイルでみるよりも、スクリーンでみたほうがすごい、みたいなもので。
番外。駅としてつくられたオルセーは構造がおもしろい
たしかに駅っぽい。
もっとゆっくりしたかったな。今度くる機会があれば、最初に一番上にいって、ゆっくり下っていく。(印象派が一番上の階にあるのだが、時間切れでほとんどみられなかったのだ)
ロンドン
tate modernがすばらしかった。現代美術が好きになるとはおもっていなかった。丸一日、いや二日くらいかけて籠りたい。tate britainもよかった。ターナーをほとんど見逃すという、何をしにtate britainにいったのだという感じ。でもオフェーリアに会えたから満足。
#20200202: 過去記事貼り直し
東京
いくつか見逃しがあるのだが、絶対行きたかった若冲展に行けたのでよかった。
ねこまたさんがキュートだった国芳を、ライバル国貞と並べるこれもよかった。
ルーブルやオルセーなんかは、東京の特別展にくるとすればどれも目玉級が揃うというオールスターキャストすぎて困るわけですが、それ以外のものは、どう補助線をひくかというキューレーションが、ものすごく重要なわけで。ときにさりげなく、ときに挑発的に作品をならべていくキューレーターのみなさんの凄さに気が付いた一年でした。
ありがとう!