cafe de nimben

見たものと、読んだもの

2022-01-01から1年間の記事一覧

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(東京国立博物館)

平成館まるごと使った特別展ではなく、本館の一階のスペースを使っての、こじんまりとした展示。(平成館はポンペイ展をやっている) 会期:2022年3月1日(火)~5月8日(日) www.tnm.jp 重要文化財 空也上人立像 運慶の四男康勝による作品(13世紀)。 117…

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展 (東京都美術館)

なんといっても、フェルメール『窓辺で手紙を読む女』の修復後の姿が、日本初見参。 かなり精度が高くて大きさも揃えてある模写も展示されていて、とてもよかった。 本来は、2022年1月22日(土)~4月3日(日)と言う会期だったが、オミクロンのせいで、開始が2…

Russians / Sting (1985)

1985年、England出身のStingによる歌。ソロデビュー作 "The dream of the Blue Turtles / ブルー・タートルの夢" 所収。 www.youtube.com 時代背景 この曲が作られた1984年は、ソ連はチェルネンコが書記長の時代。翌1985年にゴルバチョフが就任する。この時…

七尾ナナキ『異剣戦記ヴェルンディオ』(3巻まで。続刊中)

『Helck』の七尾ナナキ作品なので、最初の世界観がミクロ寄りに描かれるため、大きいところが読めないことはワクワクにつながるので、とても楽しみ。 異剣戦記ヴェルンディオ(1) (裏少年サンデーコミックス) 作者:七尾ナナキ 小学館 Amazon 表紙の通り、…

たらちねジョン『海が走るエンドロール』(2巻。続刊中)

65歳の老女が映画を撮る話、というまとめ方は正しいのだが、本質はそこではない気がする。 なぜか自分で蓋をしてきてしまった何かを、誰が何を言おうと、きちんと解放する話。今まで怖くて見てこなかったものに、きちんと対峙して、解像度高く見てみることを…

深見じゅん『悪女(わる)』(全37巻)

2022年4月から日本テレビ系列で再ドラマ化されるということで、久々に原作を読んでみた。 悪女(わる)(1) (BE・LOVEコミックス) 作者:深見じゅん 講談社 Amazon 1988-1997年まで連載されていたので、バブル絶頂期の様子が背景に残っているのはとても興味…

日本橋ヨヲコ『少女ファイト』講談社(第18巻)

待望の18巻。 大体年に一回単行本が出るペースだったのだが、17巻は2020年7月発行なので一年半開いた。 しかも、今回は最大の敵、雨宮摩耶戦である。(あえて、青磁高校戦とは言わない) 少女ファイト(18) 特装版 (イブニングコミックス) 作者:日本橋ヨ…

吉田秋生『詩歌川百景』第2巻

人に優しい嘘。自分にだけ優しい本音。 弱さを飲み込む強さ。弱さを凶器にする無意識の卑怯さ。 詩歌川百景(2) (flowers コミックス) 作者:吉田秋生 小学館 Amazon 「街で一番の美女」杯でいうと、大女将から、その娘、孫娘と繋がっている。 大女将。 街…

魚豊『チ。-地球の運動について-』/ 15世紀欧州の宗教と美術と音楽と大航海時代

前提として、14-16世紀ヨーロッパについて調べてみた 15世紀P王国。おそらくアディス朝ポルトガル王国。 ゴシックから、ルネッサンスへ変わっていく時期。ルネッサンスを朝日とするなら、チ世界は一番暗い夜明け前。 キリスト教 細かい派閥はあれど、まだカ…

魚豊『チ。-地球の運動について-』/ 地動説とリアリティライン

実際の地動説 コペルニクスの『天体の回転について』は1543年だから、この物語世界の最初は15世紀なので、次の世紀に結実する話。この物語で出てくるかどうかは、まだわからない。そもそもこの物語の最初では、コペルニクスは生まれていないかもしれない。 …

魚豊『チ。-地球の運動について-』(既刊6巻)

面白いという噂を聞いていたのだが、その通りだった。 年末年始に既刊6巻を大人買いして追いついた。 地動説を信じる人たちの戦い、と言ってもいいのかもしれない。 地動説自体を信じているのか、地動説を正統と叫ぶことで得られる何かを得ようとしているの…

2021年に買ったマンガ / 完結作品

追っかけていた中で、2021年に完結した作品 藤本タツキ『チェンソーマン』 [まとめ買い] チェンソーマン 作者:藤本タツキ Amazon 展開が最後まで全く想像できなかったのがすごい。 綺麗事では無い、人間のダメさ卑怯さ狡さ、自己評価の過大と過少の揺れがど…

2021年に買ったマンガ / Web系

去年は私にとって、マンガ体験の比重がWebに移った年だった。 といっても、今自分が紙の雑誌で追いかけているのは、月刊アフタヌーンだけなので、別のものに変えたというよりは、追っかけるものが増えた、というのが正しいけれど。 今までも、収納スペースの…

原作:青木潤太朗 漫画:森山慎 『鍋に弾丸を受けながら』(1) KADOKAWA

治安の悪い場所の料理は美味い そう思いませんか? (中略) 日本みたいに安全な場所って、"70点から90点のものがどこでも食える" んですよ そりゃあ素晴らしいことです でも危険とされるところ… グルメなどでは絶対に赴かないはずのエリアかな… そういう場…