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見たものと、読んだもの

manga

おかざき真里『阿・吽』14巻完結

最澄と空海のお話の最終巻。 実は最後の最後で意味が取れなくなってしまった。読解力が落ちてしまったのか、自分にトホホな気分になっている。 阿・吽(14) (ビッグコミックススペシャル) 作者:おかざき真里 小学館 Amazon 最澄と空海の関係性はつまりな…

甲賀長生『異世界紀元前202年』(2巻まで、継続中)

紀元前202年は、ハンニバルがザマの戦いで、スキピオ・アフリカヌスに敗れ、項羽が垓下の戦いで四面楚歌となり劉邦に敗れる。この二人がこれらの戦いで勝ち、そのまま東西の大帝国がぶつかったら、と言うファンタシー。 この荒唐無稽さは面白い。 異世界紀元…

斉木久美子『かげきしょうじょ!!』白泉社(既刊11巻)

宝塚歌劇団を元ネタにした紅華歌劇団。その学校である音楽学校にヒロインが入るところから物語が始まる。青春群像ビルディングストーリー。 かげきしょうじょ!! シーズンゼロ 上巻 (花とゆめコミックススペシャル) 作者:斉木久美子 白泉社 Amazon ヒロイン…

野田サトル『ゴールデンカムイ』

和風闇鍋ウエスタン。 と言うのを公式が言うようになったのがいつかはわからないのだが、これは言い得て妙だ。 最終章突入を記念して、9月17日までの限定で「となりのヤングジャンプ」で全話無料で読めるので、ぜひ読んで欲しい。 tonarinoyj.jp 最初は、ア…

鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』全5巻完結/KADOKAWA

ほんわかとした、でも地に足のついたお話。 市野井雪(いちのい・ゆき)75歳が、偶然手に取ったBL漫画にハマる。ひょんなことから、書店アルバイトで同じ作品を愛する佐山うらら17歳と友達になる。 これが、どちらかの暴走によるスラップスティックになった…

ソフィ・シュイム(原作)泉光(コミカライズ)『図書館の大魔術師』(第5巻)

これは、読めとしか言いようがない名作。まだ5巻だから、追いつくのもかんたん。 これ、長い作品になると思うのだけど、完結はいつくらいになるんだろうなあ。最後まで追っていきたい。 [まとめ買い] 図書館の大魔術師 作者:泉光 Amazon 良い点を3つにまと…

世界観に押し切られたい

アニメやコミックを摂取するのが好きだ。 その理由が最近わかってきた。 物語のリアリティラインと、私の脳内のリアリティラインのすり合わせがうまくいくからなのだ。 文字情報だけのリアリティライン 例えば小説だと、ほぼ完全に読者の脳の中でリアリティ…

杉谷庄吾【人間プラモ】『映画大好きポンポさん』

素晴らしい。一人の天才映画監督が生まれるところと、それを見出し育てたプロデューサー。という話なんだけど『ハスラー』とか『スティング』のようなお話ではない。 映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) 作者:杉谷 庄吾【人間プラモ】 KADOK…

玄奘三蔵のインド紀行ルート

『天竺熱風録』を読んでいて、この頃の世界図って頭に入っていないなと思ったので調べてみた。7世紀中盤の中央アジアから東アジアの図版です。 中国/唐 唐は、西暦618年から907年の間、中国を治めていた王朝である。遣唐使の「唐」ですね。都は長安(現在の…

原作田中芳樹・作画伊藤勢『天竺熱風録』全6巻

中国は唐の時代。貞観21年というと、647年。(日本は飛鳥時代。大化の改新の始まりとなる乙巳の変(蘇我入鹿暗殺)が645年) こんな時代に、中国から北インドに外交官として行き、捕らえられ、部下を置いて逃げ出し、文官にもかかわらずネパールから軍を借り…

田素弘『紛争でしたら八田まで』(既刊5巻)

チセイは、地政と知性。 紛争でしたら八田まで(1) (モーニングコミックス) 作者:田素弘 発売日: 2020/03/23 メディア: Kindle版 地政学の知識、数ヶ国語を操る知性、そして交渉とはwin-winであることと、それを信じさせる裏付ける力(暴力を含む)である…

芥見下々『呪術廻戦』15巻

渋谷事変編。 呪術廻戦 15 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:芥見下々 発売日: 2021/03/04 メディア: Kindle版 いろんな描写がオマージュと言うところに目を奪われるが、描きたい本質はどこにあるんだろう、とか考える。 虎杖が考える「正しい死」が皆に等…

おかざき真里『かしましめし』4巻

どうしても一時的な再集合に過ぎないシェアハウスというか居候生活が、終わろうとしているのかな。 かしましめし(4)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS) 作者:おかざき真里 発売日: 2021/04/24 メディア: Kindle版 癌の受容段階として、「1.否認⇒2.怒り⇒3.…

鶴淵けんじ『峠鬼』(既刊4巻)

時空を超えた、日本の昔のお話。主人公の一人が役小角なので、ベースは7世紀(飛鳥時代)くらい? 峠鬼 1 (HARTA COMIX) 作者:鶴淵 けんじ 発売日: 2019/08/10 メディア: Kindle版 話の竜骨は、一言主と役小角のお話。 役小角は修験道の開祖とも言われる、…

大河原遁『王様の仕立て屋』シリーズ

スーパーな腕を持つ職人が縦横無尽に活躍する短編連作的な作品は、手塚治虫『ブラック・ジャック』を含めて種々あるが、これはつまり落語なのだな、と言うことに気づいた。 王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜 1 王様の仕立て屋~サルト・フィニート~ (…

萩尾望都『一度きりの大泉の話』竹宮惠子『少年の名はジルベール』

大泉サロンの話を、恥ずかしながら全く知らずに読んだ。 一度きりの大泉の話 作者:萩尾望都 発売日: 2021/04/21 メディア: Kindle版 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール (小学館文庫) 作者:竹宮惠子 発売日: 2019/11/06 メディア: Kindle版 読んだ順…

大窪晶与『ヴラド・ドラクラ』1-4巻(続刊)

ワラキア公国の君主ヴラド三世(1431年 - 1476年)が主人公の史実寄りのコミック。 ヴラド三世といえばドラキュラのモデルで、その血生臭さは串刺し公としての悪名なのだが、大国に挟まれた弱小国の、しかも政治基盤が弱い王としての、まあ出世物語と思って…

庵野秀明総監督『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』2021

いろんな考察はこれから出てくるんだろうけど、きちんと卒業できてよかったね、庵野さん、と言うお話。 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告・改2【公式】 退学からの、復学、卒業 テレビ版(1995−1996)から数えて約25年の卒業かな、と言う感じ。この作…

ヤマシタトモコ『違国日記』(7) 祥伝社

この物語を読んでいると、自分の言葉だけで生きていけたらいいなあ、でもできないないなあ、それでも自分の言葉を紡ぐことは大事だなあ、尊いなあと思う。 Death Happens but never die youngという朝が着ているTシャツが好きだ。 ちょっと意訳になるが「い…

あfろ『ゆるキャン△』芳文社(既刊11巻)

こういう状態だと、アウトドアしたくなるのだが、その欲を程よく満たしてくれるほのぼのキャンプ漫画。 ゆるキャン△ 11巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者:あfろ 発売日: 2021/01/07 メディア: Kindle版 なんと言っても、キャラクターたちがいい。 悪い…

カルロ・ゼン、東條チカ『幼女戦記』(20)/KADOKAWA

ジャンルとして、異世界や戦記だけでなく、ダークファンタシーと称しているのが、このお話のミソだよなぁ。 幼女戦記(20) (角川コミックス・エース) 作者:東條 チカ 発売日: 2020/12/26 メディア: Kindle版 ハードさが同程度で、原作者が同じカルロ・ゼンの…

今年読んで面白かったマンガ2020

まあ、今年を一言で言うと「鬼」かな。 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(全23巻完結) 田島列島『水は海に向かって流れる』(全3巻) アベツカサ/山田鐘人『葬送のフリーレン』 とよ田みのる『金剛寺さんは面倒臭い』 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』 宇佐崎しろ …

日本橋ヨヲコ『少女ファイト』講談社

気にはなっていたんですよ、この作品。 Kindleで3巻まで無料。まとめ買い(現在合計15巻。未完結)が20%オフだったので、これを機会に購入。 もっと早く買っておけばよかった。 [まとめ買い] 少女ファイト 作者: 日本橋ヨヲコ メディア: Kindle版 この商品を…

おかざき真里『阿・吽』

言葉は阿頼耶識というこの世に形として存在しないものに器を与え、人に見えるようにする次元変換装置である。それにとどまらず、その形を人に伝え、広めるためにも使う。逆に、言葉は言葉として抽象化された時点で、非可逆圧縮されてしまうから、漏れ落ちた…

2017年に読んだ掘り出し物漫画5作

小説脳を取り戻す、でも書いたのだけれど、ビジネス本ばかり読んでいると、小説的なものって読むのが大変になる。使う脳が違うから。漫画もある程度そうなのだけど、テレビや映画を見ているので、リハビリはほとんどなくていいのが楽なところ。 読むのはもっ…

森アーツセンターギャラリー『Louvre No.9 - 漫画、9番目の芸術』

サモトラケのニケがフィーチャーされているので、その時点で5億点です。 ルーブル美術館特別展として全国を巡回するのだが、まずは六本木アーツセンターギャラリーで公開中。東京では9月25日までなので、早めにどうぞ。 manga-9art.com さて。 ルーブル…